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2018.3.1 - 12.24

At World’s End -新作「地の果て」に至るモチーフの系譜-

東京藝術大学大学院在学中にビルシリーズを制作して、画家としての才能が認められた千住博。千住は、その後も、森、湖、滝、崖などの様々なモチーフを通して独自の絵画世界を表現してきましたが、こうしたモチーフの背景には、常に時間というコンセプトが貫かれていました。時間とは、空間とともに世界を成立させる基本形式。つまり時間を表現するということは、この世のあらゆる事象を表現することにも通じると千住は考えたのです。

ビルシリーズでは、ビルの背景の天体の動き、交通の光の軌跡が時間のメタファーとして描かれています。「森の植生」では、時間を暗喩する、芽生え、繁り、枯れゆく樹木が描かれています。静止した滝のイメージが時間を想起させるウォーターフォールシリーズの発表により、作品における時間性は、さらに際立って示されるようになりました。

今回、本邦初公開となる新作「At World’s End」(地の果て)では、まるで宇宙の惑星であるかのような、塊としての崖が印象的に描かれています。惑星を構成する岩石は、深遠な宇宙の時間の中で地殻活動によって形成されたものですので、このモチーフそのものが時間の経過を示唆していると言っても過言ではありません。本展では、こうした多様なモチーフの変遷を通して、千住博の今日に至る作品表現の本質を探っていきます。

なお、「ザ・フォール・ルーム」では、新作動画「カラーフォール」を上映します。縦3.4×横13.6mからなる大作「ザ・フォール」が、プロジェクションアートによって徐々に変化していく“時間表現のもう一つのかたち”もどうぞお楽しみください。