美術館次回予告

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Waterfall × 観桜展

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軽井沢千住博美術館は、日本画家・千住博の作品世界をご紹介する個人美術館といたしまして、千住博がまだ東京藝術大学の学生だった頃の貴重な作品から近作までを各種所蔵しております。今回は、その中から、千住博の代表的モチーフである「滝」と、春を象徴する花「桜」を題材にした作品にスポットをあてて、個人蔵の作品も一部お借りしながら、企画展「Waterfall×観桜展」を開催いたします。

企画展タイトルの一部である「観桜展」が、本展のキーワードとなります。春の季節、桜を鑑賞する「観桜会」が日本中のいたるところで開かれます。そうした催しでは、直截的に桜だけを鑑賞するわけではなく、桜の観賞を通して例えば茶会など別のイベントが行われたりします。このように、桜を通して他のものに想いを寄せるということが、実は「観桜」の流儀なのかもしれません。「観桜展」は、桜の作品の観賞を通して、さまざまな事柄に想いを寄せていただく展覧会でもあります。

千住博も、この「観桜」の流儀に基づいて桜の作品を描いているようです。千住博は、咲き誇る桜の美しい姿のみを描写したわけではなく、その桜の先に心の中で感じる何か別のもの、例えば命や人生、宇宙の成り立ちなどのさまざまな事を想い、それを桜の絵を通してメッセージとして伝えようとしているのです。 千住博の描く桜は、その多くが福島県の三春町の樹齢1000年超と推定される紅枝垂桜(べにしだれざくら)の「三春滝桜」(国の天然記念物)がモチーフとなっています。それは、「さまざまな美しい桜がありますが、この樹齢1000年超という生命力を持つ桜に対面していると、桜というより何か別の、まるで命に触れている感じがし、それに惹かれてこの三春の滝桜を夜も昼も好んで何回も描いています」と作家が語るように、桜を通して生命の神秘さを描きとるためでもあります。

本展では、「夜桜満開」や「三春の滝桜」といった桜をモチーフとする5作品をはじめ、代表作「ウォーターフォール」シリーズなどの主要な作品43点を展示します。生命力あふれる春の美しさを感じながら、千住博の世界を存分にご鑑賞ください。

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